再訪を促す秘策:リピーター率向上のための具体的アプローチ

第一部:リピーターの重要性と現状の課題

リピーター率の重要性

リピーター率は宿泊施設の収益性を大きく左右します。じゃらんや楽天などの予約サイト経由の予約が増えると、新規客ばかりを追い求めてしまい、リピーターの重要性が見過ごされがちです。売上や客室稼働率に目を奪われがちですが、最終的な収益率を考えると、直接予約(自社サイトを含む)のリピーター率の向上が重要です。

現状の課題

ある宿では、全ての予約流入の中でリピーター率がわずか5%でした。そのほとんどが予約サイト経由のもので、平均10%以上の手数料を支払っていました。このため、PL(損益計算書)の支払手数料が大きな負担となっていました。そこで、2年後の目標として、休前日の個人予約の3割をリピーターにし、そのうちの2割を直接予約(自社サイトを含む)と設定しました。

目標と結果

結果的に、リピーター率3割は達成しましたが、直接予約(自社サイトを含む)は1.5割にとどまりました。とはいえ、直接予約が1.5割増えただけで年間700万円のキャッシュを生み出し、これまで改装できなかった客室2室を露天付客室にリニューアルすることができました。

第二部:リピーター率向上の具体的な取り組み

「記念日旅行」の重要性

「記念日旅行」はリピーター率向上のために非常に重要です。レストランで一人あたり3,000円〜4,000円で済むところを、5〜6倍の予算をかけて宿泊するお客様は、それ相応の特別な体験を期待しています。しかし、多くの宿では「注文を受けたケーキを決められたタイミングで出す」「ウェルカムハーフボトルワインを用意」「支配人からのお祝いメッセージを部屋に置く」程度で終わってしまっています。これではお客様の期待に応えきれず、次回の記念日には他の宿を選ばれてしまいます。

担当者付けの効果

そこで、その宿では「日々お越しになるお客様に担当者を付ける」取り組みを始めました。記念日という特別な日に初めての宿を選ぶことはお客様にとって大きなリスクです。だからこそ、いつも気心が知れていて、融通が利き、間違いのない場所を選びたいというのがお客様の考え方です。担当者を付けることで、お客様にとって安心して特別な日を過ごせる場所となり、リピーターとして繰り返し利用してもらえるようになりました。この取り組みが火をつくまでに1年半かかりましたが、結果としてリピーター率向上に大きく寄与しました。

まとめ

リピーター率の向上は、宿泊施設の収益性を大きく改善する鍵です。新規顧客の獲得に力を入れることも重要ですが、既存顧客のリピート利用を促進するための取り組みも欠かせません。特に「記念日旅行」や担当者付けなどの個別対応は、お客様に特別な体験を提供し、リピーターとして繰り返し利用してもらうために効果的です。今一度、自社のリピーター率を見直し、改善策を講じてみましょう。

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