最近感じる事。
それは、
色々な事がひと回りしてきている。
です。
私は、旅館に生まれ、旅館で育ち、旅館で働き、旅館を閉めるまで経験しました。
小学生に上がる前から、宴会場を駆け回り、新しい会席料理メニューの味見をし、器の選定や、家具購入など旅館業の歴史を約40年間くらい見てきました。
40年前の記憶は薄っすらですが、なんとなく覚えている光景が最近目の前で「新しい」という形容詞が付いて開発されています。それは時代の変化(需要)が過去の供給物を求めているかのようです。
当社では、宿の様々な部分を「売れる」商品化するために、現在を分析し潜在需要を掴んで、近い将来(1年~3年後位)を予測し商品化へ向けて宿を動かします。
私自身はなんとなくの感覚を持っているのですが、それを実際に行動に移す宿の皆さんを説得するために様々な確証が必要になります。
「2年後には恐らくこんな未来がやってきます。だから今から〇〇を始めて、2年後のピークに備えましょう。」的なやつです。
今回は、その一部を公開しましょう。
料理はSNS映えしなくちゃダメダメ
上の写真をご覧下さい。料理名は「初鰹の三種盛り」です。
どうでしょう?この豪快さと「緑と赤と黄色のハーモニー」は。
これはいわゆる「刺身盛り」なので、通常であれば以下の写真が「一般的」と呼ばれるものです。
しかし、これでは誰も写真を撮ってSNSにアップしてくれません。そこで、立体感(ヒゲニンニク)と色彩(最低3色)を入れ、舟盛風に盛りつけました。
ひと昔は、上記写真のように、お祝いの席と言ったら舟盛にお刺身を並べたものですが、「魚の頭が気持ち悪い、刺身が新鮮じゃない、みんなでお刺身を突き合いたくない」ということから、廃れて今では古臭いスタイルの旅館がやっているものでした。
がしかし、SNSで強烈なインパクトを写真に残す「大きな刺し盛り」は人気料理となってきています。
その例として以下をご紹介しましょう。見たらわかります。↓↓↓
ピカピカのホテルが増えたからこそ、古いが希少価値に
宿泊業への投資ブームはもう10年ほど続いているでしょうか。今後も別業界からの宿泊業参入は増えると言われています。敢えて古いホテルを作る会社はありませんので、みんなピカピカ新品のホテルを作るわけですが、どこもかしこもデザインに特徴がありそうで特徴が無く、新品ピカピカが一般化し始めてきました。
そこで、ひと回り現象が起きているのです。
「古臭い」が新しい。
古いと言っても、古民家宿じゃないのです。古民家ブームは15年前くらいにあって、その名残がまだありますが、そこじゃないです。
昭和の後期~平成初期の古さです。築40~50年ほど経過した古さが、新しいに慣れたお客様からするとどこか懐かしさも感じつつ、「新しさ」を感じられるそうです。
昔はドミトリースタイルの宿は、ユースホステルなどを中心にあったのですが、最近では旅館、ホテル、ビジホなどジャンルに問わず、お洒落な二段ベッドを活用する宿は増えています。
こんな感じです↓↓↓
https://www.nampuro.com/room_tsunagaru/
https://parkfront-hotel.com/stay/cityview/delux_bed.html
もしかしたら、こんなブラウン管テレビが普通に置いてある宿が、爆発的な集客をする日が近いのかも。