【宿プロデュース:考】 勝って兜の緒を締めよ

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勝って兜の緒を締めよ

【読み】 かってかぶとのおをしめよ
【意味】 勝って兜の緒を締めよとは、成功したからといって気をゆるめず、さらに心を引き締めろという戒め。

デパート業界にも春はありました。

こちらのリンク(tak-tak-worldさんを引用)をご覧ください。
http://tak-tak-world.txt-nifty.com/log/2011/07/post-1deb.html

昭和と平成の間頃のバブル景気のころデパート業界は花盛りで、売れて売れてしょうがない時期でした。

しかし、その後日本の景気低迷に合わせるかのように業績は下降していき、スーパーに追い抜かれ、ネットショップにも追い抜かれていきます。

私がよく出没するのは、新宿小田急百貨店の地下食品売り場と新宿伊勢丹ですが、他の地域のデパートなんか行くと閑散感半端ないですよね。
時代の流れでしょうか?

そうじゃありませんね。

日本が景気低迷にあえぐ20年間の過ごし方が今になっているだけです。今回のタイトル、『勝って兜の緒を締めよ』はその意味を表しています。

デパート業界が人ごとではなく、旅館ホテル業界も同様だと思います。

従来のビジネスモデルである『1泊2食を提供して、部屋、風呂、料理があればOK』から脱している宿がどれだけあるでしょうか?私が知る限りほとんどありません。自社開発した商品を売って宿泊以外に稼いでいる宿はほとんどありませんし、他業種に宿業から挑んでいる宿も大変少ないです。

大きな理由としては、そもそも宿業は「ざる商売」で他の業種で、その商法がなかなか通用しないということもあるのかもしれません。
その辺は置いておいても、デパート業界のように”この先数年も大不況のまま変わらず”とならないように、やるべきことは以下の通りです。

① 本業(宿業)の安定
よく宿業が調子悪いので、別の事業を始めようというお考えの方がいらっしゃいますが、大きな間違えです。宿業ほど競争が激しくなく、割と簡単に企業再生できる業界ってありません。宿業を成功させられない人が他業種に行ったらコテンパンにあうだけです。まずは宿業を安定させて、債務の圧縮と利益確保です。

② 顧客情報の徹底管理
多くの宿で行われていないのが、これです。マスターするだけで最強宿になれるのが、顧客情報の管理です。住所、名前、連絡先、年齢、利用単価、宿泊者構成、宿泊以外の購買実績くらいは集めているくらいでは、はっきり言って管理と言えませんし、最強宿には到底なれません。お客様の顔、乗ってきた車種、子供の年齢、飲んだ酒の種類などまで管理しなければ、次回の利用時に驚きは提供できません。「いやーそんな事出来ないよーー。」そうですね。そう言っているうちは、他の宿と新規のお客様を奪い合う競争は終わりませんし、新興宿の安売り競争にもお付き合いしなければいけません。これだけITが発達して、情報管理簡易になった世の中です。顧客管理専門の担当者を付けても、損はありません。年間400万円弱の投資になるかもしれませんが、へたな露天風呂付客室を作るより数倍の効果があります。

③ 自社の得意な所を商売に結び付ける
例えば、自然豊かな場所にある宿であれば、すでに粛々と行っているハイキングをビジネス化する展開を考えられますし、料理がおいしいと有名なホテルであれば、料理部門を独立させてまずはデパ地下出店からスタートさせて、移動販売、海外出店へのみちもあるかもしれません。何事も得意で好きなところからやるのが勝ち組の法則です。

さて、それでこの先もずっと苦境を乗り越えられるかというと、そうはいきません。

新たに踏み出す業界にはすでにその業界で活躍している企業がいるケースが多いので、新参ものが容易に勝てることはありません。だからこその①本業の安定ですし、②顧客情報の徹底管理が必要なのです。既知の顧客に新しいビジネスを紹介したほうが、まったく知らない新規客にアピールするよりどんだけ簡単なことか。やってみるとよくわかると思います。

しかし、それだけでは足りないのです。

④ 新しいビジネスモデルにコンセプトを浸透させる
これが絶対に必要です。他業種に参入するにあたり重要なのは、宿が持っているコンセプト(DNA)を新規事業にも注入してあげることです。

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失敗したり、撤退する企業の多くが上記図のように、本業との統一感を図れずにシナジー効果が生まれず、既存企業に敗退します。

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上記図のように本業の宿業にコンセプトが十分浸透していて、そのコンセプトを新規事業にも引き継ぎ浸透させることで、コンセプトでの統一が図られ、そこにブランドが生まれます

そこまで粘れるか粘れないかが、運命の分かれ道だったりします。

今後、宿泊業にはAIRBNBや民泊、ゲストハウス、宿坊など、これまでに無い料金帯の宿や新しいスタイルの宿業がどんどん生まれていきます。世の中の流れは変えられません。そこに立ち向かうか、自分たちで新たな道を開拓していかなければいけません。さぁ、コンセプトを見つけましょう!

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