最近、旅館やホテルの間でオールインクルーシブの宿泊プランが増えてきました。一体、どんな魅力があるのでしょうか?
オールインクルーシブとは、宿泊費、食事、飲み物、さらにはオプションサービスなど、さまざまな要素が宿泊料金に含まれる形態を指します。その料金は、一般的な宿泊プランよりも2、3割高いことが多いです。
しかし、このスタイルが話題となっているのは、TIKTOKやYouTubeで「なんと○○が無料!」とのキャッチーな言葉と共に取り上げられ、多くの人々の注目を集めているからです。
オールインクルーシブは、もともと高級ホテルでのサービスとして始まりました。お金を気にせず、心ゆくまで宿泊を楽しむ、そのようなお客様の願いをかなえるためのものでした。日本独特の旅館文化には、1泊2食の形態があり、食事という大きな要素が既に組み込まれています。しかし、注目を浴びているのは「ウェルカムドリンク」の提供です。
初期のウェルカムドリンクは、ジュースやコーヒーを提供するシンプルなものでした。しかし、その後の展開で、アルコール、ビール、アイスクリームといった豪華な内容へとシフトしていきました。そもそもこのアルコールを取り入れたウェルカムドリンクのアイディアは、当社が提案したもので、ある宿泊施設から広まったのです。
10年以上前、仲居が不足してお客様自身に客室へと向かってもらう際のサービスとして、ウェルカムドリンクを導入。さらに、ラウンジでの絶景を最大限に楽しんでいただくための演出として、アルコールの提供が始まりました。
重要なのは、どんなにすばらしい集客装置であっても、それには明確な「理由」が必要だということ。そして、オールインクルーシブの価値を維持し続けるためには、単なる模倣ではなく、独自の付加価値を持たせることが必要です。安易な模倣により、オールインクルーシブの価値が下落することは、かつての横浜中華街の食べ放題ブームと同じ運命を辿ることとなるでしょう。
しかしこれらのサービスやトレンドを追い求めるだけでなく、その背後にある意味や目的を理解し、本質に真摯に向き合うことが、真のサービスの質を向上させる鍵であると言えます。最終的には、形式やトレンドを超え、本質が最も重要だということを忘れてはなりません。
本質を捉えることで、お客様の飽きを招くことはなく、投資コストは低下していきます。