ある夜にお宿様から急な電話。
「お客さんがカンカンでどうしたらいいですか?海向きの部屋に泊まれるってプランに書いてあったらしく、海が見えないと怒られています。でも、全室海向きだから良いではないかと説明しても、納得してくれません。何て言えばいいですか?満室で部屋の変更が出来ないです。」
こんなケースでも何でも相談に乗るのがコンセプト創造研究所ですので、他の会社ではあまり連絡のないケースでもリアルにあります。だからこの仕事は楽しいです。
販売を伸ばすために宿泊プランを様々なお客様に向けてたくさん造成すると、「あれ?修正するの忘れてた。。。」っていう事が出てきます。逆にこのようなケースが出てこないのは余程厳格にプラン管理をされているか、季節ごとにちゃんとプラン名やプラン内容を変えて、その時期にマッチしたプランを出していないかのどちらかだと思います。
さて、上記の質問の答えは、、、
「とにかくこちらに非がある部分を心から謝罪し、今回の宿泊に関わる費用は全額無料にしましょう。」
「はっ?えっ?、、、はっ?そういう答えを求めているのではなく、、えっ?伴さん?」という反応が大体最初のパターンなのですが(笑)、私は本気でそう答える様にしています。
なぜならそれが最高の対応だからです。
私が宿をやっている時に、様々なバリエーションでクレーム対応のお詫びを決めていましたが、料理原価分負担や、宿泊の半分、宿泊の20%引き、宿泊の40%引き、宿泊の80%引き、お酒飲み放題、良いお部屋にランクアップ、社長からのお詫びのあいさつなどなど様々な事を精一杯やりましたが、どれも結果は同じでした。
それは、「お客様は怒って帰るのです。」
当然怒って帰るのですが、それだけやってあげれば、また泊まってくれるんじゃないかと思っていましたが、ほとんどのケースでリピーターのお客様は二度と来なくなりますし、初めてのお客様はクチコミに低評価を付けました。
試行錯誤の上に試したのが、「宿に関わる部分は全額無料にして、さらに1泊2日同人数分の無料宿泊券を渡す」でした。そのお客様はきちんと無料宿泊券を利用されて、その後に年2回ほど泊まって頂けるリピーターになって頂きました。雨降って地固まるですね。
多くの宿で同じことを回答しますが、なかなか全額無料+無料宿泊券までの勇気が出なく、半額返金程度にされるケースがあるのですが、例に違わずそのお客様は二度と利用されません。
このようなケースは普通に考えてみると簡単なのですが、宿側からすると「力を入れて作った宿泊プランの僅かな誤りを気にしてなんでそんなに怒るのだろうか?他のお客さんは全部満足させているはずなのに。。。」と思ってしまうので、私の提案は異次元に感じてしまうようです。
しかし、お客様からすると『一部の間違いだろうが予約の段階で一度は他の良さそうな宿を差し置いて「一番のお気に入りの宿」になっているんだ!総旅行費用としては一人3万円以上払っているんだ!家族4人で12万円だぞ!だったらこんな宿選ばなかった!』と思うのが、当たり前なのです。残念ですが、その位旅行のポジションは大きくなってきたのです。
それを理解せずに一部値引きなんて全く効果がありませんし、逆効果になります。
なので、潔く
お客様の想定する宿側の謝罪案を思いっきり上回る
ことが大事なのです。
もっと言ってしまうと、クレーム対応時こそインターネットへの好印象情報を拡散するチャンスなのです。
思いっきり起こるお客様ほど、思いっきり喜んでくれます。喜怒哀楽の振れ幅が大きい人は良くも悪くも、たくさん振れてくれます。良ければ散々SNS(ブログ、Twitter、FACEBOOK、予約サイト、トリップアドバイザー等)で公表してくれます。トリップアドバイザーで10点評価のクチコミが載るだけで、どれだけの売上アップ効果があることか!
一度でいいから試してみてください。
「宿に関わる部分は全額無料にして、さらに1泊2日同人数分の無料宿泊券を渡す」です。
実費は2~3万円のコストですが、下手な予約サイトの広告の何倍も返してくれますよ。
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