ここ数年、飲食業界では業態ごとの“ブーム→乱立→飽和→淘汰”というサイクルが顕著です。
から揚げ、ラーメン、焼肉に続いて、次はおにぎり店が淘汰されるフェーズに入ったと私は予測しています。
おにぎりブームの裏で起きている現実
もちろん、私自身も「ぼんご」や、板橋の姉妹店には何度も足を運びました。確かにおいしい。間違いなく丁寧に握られた、完成度の高いおにぎりです。でも、感動するかと言えば、正直そこまでではありませんでした。
なぜなら、おにぎりとは“感動”で勝負する料理ではないからです。

米と塩と具材。シンプルゆえに、驚きや派手さよりも“日常の安心感”が本質にある。だからこその何百年も続いてきた日本のソウルフードなのです。
おにぎりの弱点は「香り」がないこと
料理の第一印象を決めるのは視覚と嗅覚。
しかし、おにぎりは香りのアピールがしづらく、店頭から魅力を伝えにくいという難点があります。

そのため、視覚に慣れブームが去れば即座に売上が落ちてしまう店舗も少なくないのです。
今こそ“焼き”と“出汁”で差別化を
そこで私から提案したいのが、この2つの方向性です。
【1】+焼きおにぎり業態の確立

意外と未開拓なジャンル。表面のパリッとした香ばしさは、通行人の足を止める強力な武器になります。たとえば、焦がし味噌と青じその焼きおにぎりや、バター醤油に山わさびを添えた焼きおにぎりなど、香りと味のギャップで魅せるメニューが有効です。

具材の工夫次第で高付加価値化も可能ですし、炭火でじゅっと焼き上げるライブ感は、それだけで立派な“コンテンツ”になります。
【2】出汁茶漬けおにぎりセットの開発

しっかり取った昆布とかつおの出汁に、塩や薄口醤油をほんのり加え、香り高く仕上げる。
これをミニボトルで提供し、紙の器で気軽に食べられるスタイルにする。
※外に香りが漏れるように演出すると、通行客に強く訴求できます。
出汁の基本レシピとコスト(参考)

5L分の出汁原価(花かつお+昆布)
昆布 50g:約150円
花かつお 100g:約450円
→ 合計:約600円
塩・薄口醤油・みりん・酒 合計:約78円
→ 1人前(150ml~200ml):約20~27円
コスパは抜群ですし、味も安心感のある仕上がりになります。
ここだけのポイントは、出汁は少し強めの味付けにすると直感的に「美味しい」に繋がりやすいですよ!
まとめ:模倣では生き残れない時代へ
おにぎりはシンプルだからこそ、「一手」の差が明暗を分けます。
焼きの香ばしさや、出汁の香りの演出など、五感を刺激する工夫が必要です。

今のまま、ぼんご風のおにぎりを並べるだけでは、確実に埋もれます。
「なぜこの店に入るのか」を明確に打ち出せる仕掛けが、次の時代のおにぎり屋には求められます。
ぜひご相談ください!
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「このままで大丈夫だろうか?」と思った方は、ぜひ一度ご相談ください。