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【旅館プロデュース:考】 外国人を雇用する際の心得(旅館ホテル編)

外国人雇用

当社がコンサルティングする会社で、外国人を雇用する機会が増えています。

そして、同時に起こっているのが、雇用している外国人との不調和です。

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なぜでしょうか?

人種が違うから?文化が違うから?趣味趣向が違うから?

そもそも働きたくないから?

いろんな理由があるのですが、まずほぼ100%で直面しているのが、会社側が外国人従業員に歩み寄らずに、通常の日本人を雇用する以上の見えない壁が存在して、意思疎通が取れていません。

日本で就労を希望する多くの外国人が、出稼ぎ労働だったり、日本の先進性を身に付けたり、安全な社会を体験しようとしてやってくるわけでして、悪さをしようとする外国人は比較的僅かだと思います。

そんな外国人で旅館ホテルで働く方が数か月を過ぎると、別人のような表情で下を向きながら働いている姿を見ることがあります。

旅館ホテルをバックアップする立場として、そんな姿を見たくないので、私からご提案があります。

私は、20才を過ぎた頃にアメリカに単身留学をしていました。

その期間はおよそ4年弱。

最初は語学学校に通い、その後にビジネススクールに通う中で、現地IT企業との出会いがあり、働くチャンスを得ました。

そのIT企業での私はまさに日本の中国人労働者と同じ立場で、完全にアウェーです。

私の上司は日本人の奥さんがいらっしゃって、仕事で日本語を話してくれましたが、その他の方は当然英語しか話さず、会話はすべて英語です。

その頃には英語で不便することは少なかったのですが、やはり壁が存在していました。

仕事終わりにどこかに飲みに行くわけでもないですし、毎日を坦々と過ごしました。

まだ見ぬIT企業でしたので、先進的で刺激的で、興味が尽きませんでした。

私は会社から40分くらい離れたアパートに住んでいましたので、行き帰りのドライブでストレス解消が出来ましたし、少しストレスが多い日には美しいビーチの夕日を見に行って気分転換をしていました。

会社以外に友達は居ましたし、3年間もサンディエゴで過ごしていたので、遊び場はたくさんありましたからなんとかなりました。

しかし、どうでしょうか?

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比較的長時間労働が多い宿泊業で、田舎の何もない観光地で、比較的閉鎖的な人が多い職場で、他部署間との交流がしにくいシフトで、寮と仕事場の往復をする毎日。

私なら心を閉ざします。

だって、考えてみてください。20代前半くらいで海外に働きに出られる人って自国ではそこそこ裕福な家庭に育ち、目の前の事より世界に目を向けられる教育を与えられた人だと思います。

その人が、過酷な環境で明るく調和をもって働くなんて無理ですよね。

普通に当たり前のことを当たり前に考えれば分かることだと思います。

『会社としては戦力(労働力)として雇っているのに、給料分働いてもらえない』

という状況だけ聞くと、外国人の方が悪いになるのですが、残念ながら会社が悪いのです。

よく見る例ですと、日本語以外話してはいけないルールを作っているケースをたくさん見ます。

派遣元の語学学校からの要請があるようですが、本当にそれで結果OKになりますか?

絶対になりませんよね。

日本人が外国に旅行に行ったときに、日本語を見るとホッとしませんか?

私は英語が話せるので英語圏では不自由を感じませんが、中国語圏の国や昨年行ったフランスで日本語を見たときに、緊張がほぐれたことがあります。

コンサルティングで指導する際に、外国人雇用でこんな大切なポイントをお伝えしています。

①必ずメンター(後見人)をつけよう

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海外で働くことは初めてのことが多く、失敗を重ねます。失敗を重ねなければ業務習熟できないのですが、失敗で気持ちが減退し、行動が起こらなくなります。

そうならない為にも、同じ職場で可能な限り同世代のメンター(後見人)を付けて責任を共有してもらいます。

責任を共有することで、そこに個別指導がおこりますので、業務を覚える仕組みができやすくなります。

②外国人の母国語を片言でも話してあげる

すっごく大事です。

お皿を割った時でも、『無問題(もーまんたい、もーまんたい)!大丈夫だよ。

怪我はしてないかな?』と少しでも彼らの母国言葉を入れることで、安心感は全然違います。

間違った言葉でも良いのです。間違えたら間違えたでそこにコミュニケーションが

生まれますので、信頼感が生まれやすくなります。

③文化の違いを丁寧に説明しよう

よくあるのが、『中国人の方がお客様に不愛想に挨拶した』なんて事です。

二十数年前まで人民皆平等というバリバリの共産主義国家であった中国では、ニコリと笑顔で対応する必要がなかったのです。

もっと言えば日本の二十数年前なんて、線路に立ちションはするわ、バス車内でタバコを吸うわ、何かあったらすぐに喧嘩と決して文化的に高い国ではなかったと思います。

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一緒です。それぞれの国で国の成り立ちというものがあって、それぞれの文化が存在しています。それを理解したうえで、日本の文化を丁寧に教えてあげましょう。

④月に1回は息抜きをさせてあげましょう

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前述のとおり、見ず知らずの国で外国人のストレスは予想以上に高いのです。日本人以上にストレスが溜まりやすい事を前提の上で、休みや息抜きの買い物などに連れて行くなど、バランスをとってあげましょう。

田舎から都会を見せてしまって、東京で仕事を見つけて離職されてしまうのでは?という事を考える方がいますが、そういうスタッフは遅かれ早かれ都会に出ますので、一緒です。

⑤1年契約であれば半年は捨てたつもりで雇用

そんなこんなの外国人です。1、2か月ですぐに戦力になるわけがないのです。

すぐに戦力になる人を希望するなら、日本人で優秀な人を高コストで雇うしかありません。

それ以上にコスト面や外国人対応で重宝する事で雇用するならば、半年間は捨てたつもりで雇用しましょう。要は、半年間は試用期間です。

『半年間も試用期間があるんだ!』と考えれば、仕事を教える気持ちにゆとりが出来て、お互いにリラックスして仕事が進められます。

しかしながら、この考え方で取り組む宿で働く外国人の方の試用期間は、実質20日位です!

1か月目から戦力化することがほとんどです。

最初が大事!という良い証拠ですね!

⑥食事は元気の基本。日本食を押し付けない

『日本に来たんだから、日本人と同じ食事をしてもらわないと困る。

外国人のために料理なんて作れないよ。』

本当ですか?

あなたも同じ立場で同じこと言われたら、「そうだよなー」って思えますか?

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アメリカに行ったら毎日ハンバーガー食えますか?

フランスに行ったら毎日白身魚のムニエル食えますか?

アフリカに行ったら、ミッキーマウスの巨大な奴を焼いたの食えますか?

日本料理はおいしいから大丈夫?世界中の人が日本料理を美味しいと思っていませんか?

巨大なミッキーの黒焦げを一番のご馳走として出す国ってありますよ。。。

そんな簡単に食習慣って変わらないのです。当然、日本で働くのだから日本の料理を食べて過ごすとは思っていても、そう簡単には行きません。

週に一度でも母国に近い食事を食べてもらうだけでも、変わるはずですよ。

⑦社内に外国人雇用の意味を周知させる

これ大事です。①~⑥ってやっている所が多いのですが、これを説明している宿は見たことがありません。でも、最大級位大事です。

要は、外国人を雇用すると日本人従業員から『仕事が出来なくて、日本語も片言で、お客様からの評価を下げるような人を雇ってどうするんだ!』という意見が出てくるんです。

そこにしっかりとした理由がなければ、

『わざわざ外国人ではなく日本人を雇った方がイイのでは?』

となって、不調和が拡がります。

給与コスト的や期間労働的に見たときに優れている外国人従業員は、企業経営において重要な構成要素になっています。

しかし、そんなことを社内に周知したら格付けが始まってしまい、もっとバランスが崩れてしまいます。

そこで重要なのが、外国人雇用の本当の意味です。

考えてみましょう!本当の意味を!

外国人雇用は、間違いなく会社を成長させる原動力になりえますよ!

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