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【旅館再生】モチベーションは仕組みではなく習慣でつくる|旅館の空気を変えた2つのシンプルな習慣|再生は“気”からシリーズ②
旅館再生は“気”の改革から始まる
現場の空気を変えた、たった2つの小さな習慣【第2回】
前回の記事で、「売れない宿に共通するのは“気”の悪さ」であるとお伝えしました。
商品や設備よりも、まずは“人”の気持ち――つまりモチベーションが重要だという話です。
今回は、実際に現場の“気”を変えて成功につながった2つの取り組みをご紹介します。
どちらも特別な投資は不要。
今すぐ始められて、明日から空気が変わるシンプルな方法です。
1. 社長(経営陣)が毎朝、社員に“挨拶”するだけで現場が変わった
ある老舗旅館で、朝に必ず社長にお願いしたことがあります。
「おはよう!今日もよろしくね」
「昨日のお客様、ありがとう。いい対応してたね」
「何か困ってることあったら言ってね」
たったこれだけの「挨拶」と「声かけ」を、
毎朝1回、館内をぐるっと一回りして、全社員に対して行っていたのです。

最初は驚いていたスタッフたちも、次第に顔が変わり、
3ヶ月後には、現場に明るさと活気が戻ってきました。
挨拶に加え、ほんの一言でも労いの言葉をかけるだけで、
「自分は見てもらえている」「ここで働く意味がある」と感じてもらえるようになるのです。
✅ ポイントは「形式的ではなく、目を見て、心を込めて」
- 朝礼のような一斉挨拶ではなく、個人個人に声をかける
- 業務内容を理解した上で、昨日の行動を具体的に褒める
- 「気づいてくれてる」という感覚が、スタッフの心を動かす
2. 「小さな成長」を見逃さず、すぐに褒める文化をつくる
もう一つ、現場の空気を変えた取り組みが、“小さな成長を褒める”という文化づくりでした。
たとえば――
- 洗い場の新人が、前よりも早く食器を片付けられるようになった
- 配膳スタッフが、お客様から「笑顔が素敵」と褒められた
- フロントが予約電話でスムーズに対応できるようになった

これらを見つけたときに、すぐに伝えます。
「昨日よりも動きが早くなってるね、いいね!」
「お客様に褒められてたよ、嬉しいよね」
「電話の対応、すごく丁寧だったよ」
評価は、売上だけじゃない。
目に見えない“成長”にこそ、モチベーションが宿るのです。
✅ 「褒める力」が“気”を動かす
- 成長は、他人に気づいてもらって初めて価値になる
- 自分の存在がチームに認められているという感覚が、離職を防ぐ
- 「褒められるからがんばれる」は、どの世代にも共通の原動力
まとめ:組織の“気”は、日々の“行動習慣”からつくられる
- 社長が毎朝一回りして、心を込めて挨拶と声かけをする
- スタッフの小さな成長を、見逃さずにすぐに褒める
この2つだけで、現場の“気”は驚くほど変わります。
そして“気”が変われば、サービスが変わり、空気が変わり、売上も変わっていきます。
📌 次回予告:
【第3回】では、「スタッフの気持ちがバラバラな組織」をどう一体化させたのか?
実際に再生に成功した宿の“チーム再生”の方法を公開します。