GOTO一時停止とその対応:新型コロナウィルスによる観光不況に打ち勝つ(9)

㉕GOTOトラベルキャンペーンが全国で緊急停止
14日、菅義偉首相は、首相官邸で開かれた新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・首相)で、観光支援事業「Go To トラベル」について、今月28日から来年1月11日まで、全国一斉に利用を一時停止すると表明したそうです。
本当に参りました。多くの宿でこの4月、5月、6月、7月の凹みがまだ回収しきれていません。春頃に完全回収の見込みを立てている宿がありますが、スケジュールがずれることになりそうです。
そして、キャンセル補償が付くそうですが、「この期間を含む旅行の予約がキャンセルされた事業者に対する補償を、旅行代金の35%から50%、1件当たりの上限を2万円に引き上げることを正式に発表しました。」とのこと。
全く意味不明ですし、キャンセル祭りをすれば補償が増えるのか?という、コロナで定番になった振り回しがまた起きる気がしてなりません。
12月15日現在、推測の域を出ませんが、1件2万の補償を貰ったところで、年末年始の補償としては全然足りてなく、きっちり埋められる部屋を埋めるのが先決と思います。
当社契約の宿には、金額的にキャンセルされるお客様には、宿泊料金の値引き提案をするように連絡をしています。
さて、GOTOはやはり幻でしたね。
この年末年始で一時的ではありますが、幻ではなく現実がやってくる宿が多いと思います。
※12/19現在、全国各地の宿(特に東京商圏、名古屋商圏、大阪商圏)では、予約件数よりも取消件数が上回っており、多いところでは予約3:取消7という宿もあります。
日々キャンセルを受け続けていると、直近の資金繰りや年末年始の人員、仕入れの事に頭が行きがちですが、この9月、10月、11月、12月を振り返り、もう少し先の将来を考えてみましょう。
㉖GOTO停止延長を覚悟する
私は感染に特に注意し、移動は電車利用はせず、自家用車を利用するようにしています。そして、人混みは避けて、人接触を極力減らすようにしていますが、一方で街中を見ると、店舗の入口などで手を消毒する人が激減しているのをよく見ます。
市場調査のために、都内の中心地を訪れて車内から眺めたりするのですが、居酒屋や飲食店は一時期の静けさは無くなり、パーテーションなどが無い店を20代、30代の若年層の男女が多数利用しています。それを見ると、今後も感染者が急激に減るのは無さそうです。
今後も少しずつ感染者が増加傾向となると、GOTOキャンペーンの停止延長の可能性が出てきます。延長するとなるともう2~3週間。そうなると1月はガラガラ確定です。
これまで不思議と部屋が埋まってきたので、部屋が空く感覚を忘れていると思いますので、この年末年始は良い機会となるでしょう。
同時にニュースの感染者数の推移に耳を傾けながら、集客ルートの現状を見直してみましょう。
㉗じゃらん、楽天は価格の安さを競争する場に
多くの宿でじゃらん、楽天トラベル、booking.com、ヤフートラベル、一休などの予約サイトやリアルエージェント経由の予約が大半を占めると思います。
しかし、需要が減少すると、誰かが安売りを始めて、それに他の宿が一軒、一軒反応して、安売り競争が行われます。中には生きるか死ぬかの戦いをしている宿があったりしますので、過激な料金が散見することでしょう。
安売りは百害あって一利なしなので、参戦するべきではないのですが、お付き合い程度にやっていないと少ない需要を奪われかねません。しかし、安売り競争をしていると、利益を残らなくなり経営が揺らぎます。
では、どうすべきか?
SNSです。
SNSで宿の存在感を拡げていき、SNSで宿を気に入ってもらい、指名買いしてもらう!
それしかありません。その為にも、SNS(Instagram、Facebook、Youtube)を始めていなければ始めるべきですし、始めていたら更新頻度を高めていきましょう。
忘れてはいけない【順番】は、
日常のスーパー(家庭内飲食)→近場の飲食店→混雑する駅ビルの飲食店→地方の観光地や飲食店、宿泊施設への日帰り→宿泊を伴う観光や宿泊です。
こんなに宿泊業は遠いのです。だからこそお客様に近づきましょう。近付くとお客様がそこにはいたりします。冷静に見つめましょう。そして、安近短を忘れずに。
コンセプト創造研究所では、無料経営相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。きっと改善の糸口が見つかるはずです。