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コロナ禍の観光不況に打ち勝つ

【事例】安近短を徹底して6月売上昨対91.7%:新型コロナウィルスによる観光不況に打ち勝つ(6)

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⑮まだ自粛風吹く6月に劇的回復

当社でサポートしている旅館が今年6月の売上が昨対91.7%でした。

このコロナが観光業を直撃している現状としては、大変すばらしい売上だったと思います。ひとえに宿の経営者の方やコロナの逆風に負けずに頑張っていたスタッフの皆さんの努力だと思います。

月1回訪問させて頂いている宿で、毎回温泉地内をぐるぐる回ってから宿に向かうようにしています。6月はたまたま他の用事があって2回行きましたが、どこもかしこもがらがらでした。当然、温泉地内に観光客がいないので他宿は集客に苦しんでいたと聞いています。

その宿では、3月からコロナ対策に取り組んでおり、新型コロナウィルスの外部環境想定を行いました。(他の宿でも同様に行っています。)

3月時点での将来環境想定と行動方針

1、中国の状況を見ると、今後急激に感染者が増えていく。宿泊者数は激減する。

2、需要はいつか回復するが、急激に回復することはない。

3、インバウンドと団体旅行(老人系)は、無くなるだろう。同時に、高齢者同行の家族旅行が激減するはず。よって、ターゲットは少人数客(カップル、一人旅)に絞る。

4、夏までの売上予測は昨対比20%前後と見込んで、極端にコスト削減に励む。

5、どうなるか分からないので、借りられる限度額まで借りておく。

6、安近短商品の開発。

⑯3月、4月は倒産の予兆を感じつつも、5月から回復

3月、4月は客数が激減して、開けても意味がないので、閉館する日が増えていましたが、商品開発は休みませんでした。

コロナ感染者が増える中でも、高い部屋稼働を維持するラブホテルを視察に行ったり、普段できない修繕や館内清掃に励みました。

コロナが拡がるまでのターゲット設定が「特別な目的を持たない温泉地目当てのファミリーやカップル客」だったのを、「コロナでも自宅以外のプライベートスペースがある場所で過ごしたいカップル客」に変更して日帰りプランを作っていきました。

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すると、5月の僅かに開けている日でも宿泊客よりも日帰り客の方が多い日が出てきて、昨対約50%。他の宿が見込み10~20%と伸び悩む中、戦略的中でした。

そして、6月は90%超え。

しっかりとターゲット再設定し、他が休んでいる時に商品開発を怠らなかったことが功を奏したと思います。

⑰想定外のことも

金融機関は直近3カ月、6か月の売上見込みを昨対比10~20%で出していたところ、想定以上の売上になってしまい、9月にお願いしている念のためのつなぎ融資が下りないかもしれないという事態に至っています。

喜ばしい事ですが、今後秋の第二波を想定しており、手元現金の確保が最重要項目としておりますので、悩ましい状態です。

⑱何が一番効果的だったか?

当社契約の他宿でも同様の想定をお話しし、同様の行動計画を提案しておりました。しかし、将来への危機感を一番共有してくれた宿が今回のお宿でした。

「しっかり準備してなんとかコロナを乗り越えよう」と、当社が提案したことの多くを素直に実行して頂いたお宿だったと思います。

残念ながら、他宿の中には「コロナはそう長くは続かない」、「6月頃には湿気が出てくるから自然と収まる」という意見が強く、日帰りなんて売上にならないという宿もありました。危機感の強さが売上にそのまま反映してしまったと思います。

経験者ではないと、なかなか理解が難しい事なのですが、倒産した会社にはその過程があって、その過程の外には外部環境(影響)というものがあります。

今回の新型コロナウィルスはまさにそれで、とてもやばいのです。

これを乗り切るためには、スピード感と外部環境を読んで、戦略を随時変えていく勇気が必要です。(私は2011年に実家の宿を破産させて、何度も過去を振り返りましたが、この一文がとても重要だったと悔いています。)

同じ目には遭わせないために宿をサポートしていますが、このブログをお読みの皆さんもどうぞコロナ前の固定観念に囚われずに、新常識を早く見つけて宿を変えていってください。

以前のブログでも申し上げていますが、倒産する会社は3アウトチェンジです。

会社なんて簡単には倒産しません。しかし、大きなインパクト(悪影響:甚大な台風被害や強いライバルの出没など)を受けると1アウトずつ増えていきます。そして大抵の場合3アウトで倒産します。

今回の新型コロナウィルスのインパクトは、2~3アウト位の影響があります。なのでうまく乗り切らないと、その先はいきなり3アウトチェンジです。

自慢話ではありませんが、当社が関わる宿が潰れないのは、そのインパクトを事前に察知して、回避しているからだと思います。実家宿の倒産という特殊な経験をしたおかげで、鼻が良いのです(笑)。

今回も同じです。新型コロナウィルスは非常に大きなインパクトがあります。

直近では、GOTOキャンペーンの準備をしましょう!

GOTOキャンペーンはやはり8月販売開始予定で、エリア別に1.1兆円が分配され、夏に集中しないように月ごとに予算分けされるそうです(NHK情報)。もし、さらに遠隔地移動も制限されたりすると見込みよりも減る可能性があります。8月の売上でなんとかなるという幻想を思い浮かべている方は、がっちりキャンペーンの恩恵が受けられるように準備しましょう。

キーワードは、安近短です。

あまり具体的な情報提供をし過ぎて、当社契約宿のライバルを増やすことを良しとしていません。詳しく知りたい方は、どうぞお気軽にメールください。


(あとがき)6月中旬頃から日帰り客は減少しています。それは自粛解除の影響が大きいと思います。ただ、7月5日現在、東京や全国で再び感染者が増え始めて、再び見えない自粛風が吹き出しそうな予感がします。そうなるとまた日帰りの波がやってきます。とにかく安近短なんです。マイクロツーリズムという言い方でも何でも良いのですが、状況分析と戦略が重要です。ここだけの話ですが日帰り客が夕食付、1泊2食に変更されるケースが結構あったそうです。戦略ズバリ!です。以前にブログに書きましたが、日帰りプランは撒き餌です。そこから宿泊に繋がればいいじゃないですか。みんな本当は泊ってゆっくりしたいんですから。お客様の心理をよく読みましょう。地域ツーリズム補助金で1人5000円でたり、楽天スーパーセールの影響ももちろんありましたが、ほとんどの地域で同内容がありましたので、同条件だったと思います。やるかやらないかだと思います。ちなみに、その宿の事務所内にはラブホのパンフレットが貼られていて、「これからのライバル!カップル宿を目指せ!」と書かれています。気合いと本気度が違うので、GOTOキャンペーンも乗り切れると思います。頑張りましょう!と言いつつも、日帰りカップル客は多いのですが実態は、「普通に温泉に入ってゆっくりしたいお客様」ばかりでした。みんなコロナを気にしつつ、昨年までの日常生活気分を味わいたいのです。ニーズというのはそういうものです。

尚、今回の宿の経営者の方からはブログ化の許可を頂いております。


忘れてはいけない【順番】は、

日常のスーパー(家庭内飲食)→近場の飲食店→混雑する駅ビルの飲食店→地方の観光地や飲食店、宿泊施設への日帰り→宿泊を伴う観光や宿泊です。

こんなに宿泊業は遠いのです。だからこそお客様に近づきましょう。近付くとお客様がそこにはいたりします。冷静に見つめましょう。そして、安近短を忘れずに。


コンセプト創造研究所では、無料経営相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。きっと改善の糸口が見つかるはずです。

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