コロナ期における宿泊プランの作り方:新型コロナウィルスによる観光不況に打ち勝つ(2)

②王道商売では乗り越えられない
経済系YouTubeチャンネルのニュースピックスはよく見るチャンネルです。今回は、観光系の話題でした。観光系のオピニオンリーダーである星野さんが出演されているので、観光宿泊系の皆さんは興味があるのではないでしょうか?
多分、星野さんは把握されていると思いますが、他の人はコロナ対策を良く理解されていませんね。特にどなたか知りませんが、若い女性。
当社のブログで、「コロナ期においてはこれまでの商売が成り立たない」という説明をしていまして、動画の内容的にも同様の内容を語られていました。
しかし、です。
宿泊施設を業態転換するとか、介護施設代わりに使うとか、いろんなアイデアはあっていいのですが、実際はほとんど当たりません。
この10年間、苦境に喘ぐ、金なし・運なし・人材なし・施設なしの四重苦の宿ばかり支援してきた私には、分かります。何も集客のための資源がないところは、飛び道具や奇襲戦法で少しずつ集客し、金を作り、人材を確保し、施設を作って、運を手繰り寄せるのですが、
奇襲戦法は10個あったら1個くらいしか当たらないのです。
要は、ほとんど当たらないのです。
では、何が当たるか?
そうです。王道の宿泊施設商売が当たるのです。
えっ?と思うかもしれませんが、本当です。
宿泊施設で介護なんて流行りません。宿泊施設で幼児保育も当たりません。宿泊施設で・・・当たりません。
この10年位で宿泊業を始めたみなさんは、右肩上がりの宿泊業界で育成されているので、王道の宿泊業しか知らないのでしょう。その点、先代から引き継いだ星野旅館で苦労されている星野さんは、その真髄を知っているんだと思います。

簡単に言うと、宿泊業というのは保守的なんです。奇抜な商品を様々な宿で星の数ほど作ってきましたが、ほとんど売れません。でも、結果的にその宿は売上がアップして、経営を改善してきました。
なぜでしょうか?
それは、奇抜な奇襲作戦的商品の目新しさに惹かれてお客様はその宿のリンクをクリックして、宿の情報を見てくれるのです。そこで選ぶのは、当然「保守的な1泊2食の会席料理プラン」です。でも、それでいいのです。
なぜなら、宿泊業というのは保守的だから。
コロナ期においては、従来の保守的な1泊2食の宿泊プランは劇的に売れないでしょうし、コロナ期のお客様の欲求を満たすものにはなりません。
なので、保守的でありながら、お客様に一歩近づいた「日帰りプラン」や「宿での時間潰しプラン」に需要が出てくるのです。
ただ、それは

撒き餌でいいのです。
そこをきっかけに日帰りプランの中でも高額なプランや、1泊2食の会席プランを安全で、近距離で、短時間に利用してもらえる導線を作れればOKです。針は保守的なプランに付いていればOKです。
王道の宿泊業商売をしてきた人達は、そういうテクニックを知らない事が多いです。それは当然で、毎日何千人も中国人観光客がやってくる場所で商売していたら、そんなテクニックを身に付ける必要がないです。それはそれで激しい競争という問題があるかと思いますが、ノウハウというのはそれぞれの環境で異なるものです。
当社では、コンサルティング的には難度の高い宿を、これまで色々経験してきた部分がこのコロナ期に活用できる気がします。
当社のブログには、流通しない様々なテクニックや問題解決の思考法などをちりばめています。どうぞ過去のブログもご覧ください。お役に立つと思います。
最後に、今回のようなコロナウィルスにおける不況は誰も経験したことがないので、チャレンジすることが一番大事です。なので、どなたのどのようなチャレンジも称賛します。何が当たる変わらないのがコロナ不況です。でも、東日本大震災での経験だと、今回のブログの結論に至っておりますし、既に数件の宿で効果が出てきております。ぜひお試しを!
忘れてはいけない【順番】は、
日常のスーパー(家庭内飲食)→近場の飲食店→混雑する駅ビルの飲食店→地方の観光地や飲食店、宿泊施設への日帰り→宿泊を伴う観光や宿泊です。
こんなに宿泊業は遠いのです。だからこそお客様に近づきましょう。近付くとお客様がそこにはいたりします。冷静に見つめましょう。そして、安近短を忘れずに。
コンセプト創造研究所では、無料経営相談を受け付けています。経営相談の時に、絶対に営業しないというのが当社ポリシーです。お気軽にご相談ください。きっと改善の糸口が見つかるはずです。