【宿プロデュース:考】民泊の登場で人材採用はさらに難しくなる

これまでも何回か人材の確保についてブログでお話ししていますが、今回は「なぜ人材の確保を急がなくてはいけないのか?」を語ってみましょう。

【旅館再生:考】 宿泊・飲食サービス業離職率 48.5%(リンク)

上記のブログで書いた通り、宿泊業は全業種の中でも有数の離職率の高さで、人気がない(働いてもほかの業種に転職したくなりやすい)業種です。

それでいながら、サービス業の枠に入っており人的サービスを多く求められてしまいます。
でも、なかなか宿泊業には優秀な人材が集まっていないのは、数字や皆さんが感じる通りだと思います。(もちろん優秀な人材はいらっしゃいますが、その割合は大手ネット企業に訪問した時に感じる割合とは大きな差がありました)

今後、海外の宿泊施設チェーンや国内の別業種企業が相次いで宿泊業に参入してくることが予想されており、既存の宿は個(人)の力を高めて対策を打たなければ淘汰されてしまいます。

どうやったら優秀な人材を確保できるかというと、やはり「意欲」が強い人材の方を探さないといけないのです。「意欲」が強い人材は、仕事の吸収は早いですし、よく言われるサービス業の”アイドルタイム”を無駄に使うような事はありません。自分で宿の良さを探して、課題を解決していこうと動きます。

でも、なかなかそのような人材はいませんよね。

なぜでしょう?

ここが大きなポイントです。

他の業種に目を向けると、例えばラーメン店であればそのお店の味や仕入れノウハウ、集客方法などを学んで将来的には独立を考えたりします。しかし、宿泊業においては一個人が宿を開業できるほどの費用捻出(借入)することは、最近の金融機関の方向性からするとかなり難しいのです。(もちろん安い物件を買って簡単にリフォームするという方法もありますが、現実的には安い物件には安い物件なりのハイコストが隠れており、その後の経営が難しくなることが多くあります。)

将来的に自分の店(宿)を持ちたいという強い「意欲」が持てない業界に、大きな大きな夢を抱いてやってくる優秀な若者はいませんよね。そんな当たり前の流れがこの宿泊業界にはあるのです。でも、「それでも宿泊業をやってみたい!」、「自分の城(宿)をもって海外からのお客様をお迎えしてみたい!」という人は存在します。

「その人達を自分の宿に採用したい!」と思うなら、もうそろそろ本気出さないと誰もやってこなくなります。

なぜなら、「民泊」が世の中に広がっていくからです。民泊ならば「1室の宿を経営する」と考えれば、それも「それでも宿泊業をやってみたい!」、「自分の城(宿)をもって海外からのお客様をお迎えしてみたい!」を叶えられますよね。それも通常のマンション賃貸よりも利回りが多く取れるようにするという条件を満たせば、1室10万~20万円程度の投資で開業できます。ベッドやソファ、装飾、リネン類などを揃えて、たったの20万で宿オーナーです。それも急に欠勤する従業員さんやすぐに辞めると言い出す板前さんを雇うことなくです。「将来宿業を志す人は、民泊からスタート!」になるでしょう。民泊を5件も10件も経営すれば、それなりの宿よりもよほど収益力はあります。

私は「民泊」の登場で、今後の人材確保は本当に難しくなると思います。だからこそ”今”が大事なのです。

しかししかし、民泊が普及する前に活発に採用活動をしても、働く魅力が無い所には来ないものは来ませんよね。

ではどうすればいいか?それは、宿業が持つ要素を分散化して、それぞれの要素のプロフェッショナルを目指す人々を集めることです。

例えば、宿業は基本的に「部屋を貸す」という不動産要素があります。場所を貸して、そこから収益を得るというモデルです。

もちろん旅館やシティホテルであれば飲食部門がありますので、そこから飲食業を目指す人もいるでしょう。食事を作れれば、弁当屋さんだってできます。美味しくない介護食を旅館ホテル並みに高めた介護付き老人ホームの経営だって目指せます。清掃だって、立派な清掃会社が世の中にはたくさんあります。

というように、採用時点で「うちにはこういう仕事がありますけど、やりたい仕事はありますか?」ではなく、「その道のプロを目指す人が実践を積んで、起業を目指せる場所あります。」にしないといけません。
そのくらいのインパクトを提供できなければ、これからもずーーーーっと採用は厳しくなるでしょう。

時代はどんどん進みます。

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