【宿プロデュース】 宿泊業界の今後

旅館ホテルの経営コンサルティングをしていて、いつも風を感じながら活動をしています。

それは世の中の風だったり、業界内の風、宿の中の風。様々な流れを感じて、行くべき方向を見据えてそのかじ取りを右に行くか左に行くか、または前に行くか後ろに戻るか。判断基準は風です。
風は見えるものと見えないものがあり、大抵の大事な風は見えません。感じるしかありません。

そんな私が感じる風は今後の宿泊業界の流れを示しているように感じています。

どんな風か?
それは旅館ホテルのコンビニ時代です。

80年代~90年代のコンビニ隆盛時代が、2010年代の宿泊業界とほぼ一致します。

ネットで拝見したサイトに優良なコンビ二の変遷があったので、ご覧ください。
http://www.mapscom.co.jp/h-14.conveniencestore.pdf
(株)マップスHPより

当初コンビニは、24時間営業の利便性やそこそこの物がいっぺんに買えるという部分が受けていました。多店舗化する内に業界内でのコンビニのポジションは上がっていき、メーカーがオリジナル商品やコンビニ限定商品が登場することとなります。それでも、規模的にはスーパーなどには敵わなかったのですが、チェーン店の強みを発揮していきます。それは、「情報」です。どのような商品がいつ、どこで、どのようなお客様層に売れているかを広範囲に膨大な「情報」を集めて、一番の売れ筋商品だけ集めていきます。利便性はどんどん上がっていき、コンビニの利用頻度はどんどん上がっていきます。

現在の宿泊業界は、各地で新興の宿チェーンが拡大する時期にあります。この状況ではまだ、コンビニが急増して酒屋や食堂、書店、弁当屋のような中小企業が廃業することにはなりません。
新興の宿チェーンが各地で施設を増やす段階なので、チェーンとは差別化された宿はまだ影響を受けずらいのです。しかし、ある程度チェーンが施設を増やしていくとその業態での売り上げは頭打ちになってくるので、次の客層を狙ってきます。例えば、365日均一料金の宿が休前日やハイシーズンに少し高級な料理を提供して、これまで取りこぼしてきた客層を狙います。その動きは連続していき、遂には「うちには関係のない話」と思っていた宿の客層を奪います。それはコンビニで言う、「酒屋や食堂、書店、弁当屋、喫茶店、薬屋」のような状態です。品数は少ないけど、どれも欲しい優先順位上位の者が一通りそろっているが実現されます。

そうこうしているうちに、地域で上中下の中以下クラスの宿は、経営に困って買われるか、宿を閉めることになると思います。そして、小を食っていた新興チェーンでも勝敗が出てきて、これまで点々と買収されてきた宿が20、30軒の数でどーんと買収され看板がコロコロ変わる時期が来るでしょう。

そうこうしているうちに、新たに生まれる面白い宿がチェーン化し、そしてまた売り買いが発生する。そんな時代です。

単館経営でも、チェーン経営でも激しい競争の時代が来るのですが、そこでどう生きるかが重要です。その為には、超が付くようなオリジナル性が必要になってきます。

でも、オリジナル性と言われるものは、あっさりとパクられて改良されて市場を奪われます。そうならない為にはどうすべきか?私は、以前に働いていた激安の殿堂 ドン・キホーテが参考になると思います。

ドン・キホーテHP

ディスカウントストアながら、27期連続増収増益を達成し、連結業績は7500億円を超えオンリーワン業態オンリーワン企業で業界を独走しています。一昔前までは夜に暴走族が集う異様な深夜営業のお店というイメージがありましたが、そのカラーは払しょくされ、今や生活に必要なお店になっています。そんなドン・キホーテを中から見ていた私が思うドン・キホーテの強さは、複雑性です。

圧縮陳列や深夜営業を真似するディスカウントショップは、全国津々浦々いろんなところで見てきましたが、どれもこれも潰れます。ネットや書籍で色々ドン・キホーテ商法について語られていますが、どれも手法を部分的にピックアップしているだけです。ドン・キホーテのビジネスの強さは複雑性です。一見すると分かりやすく真似しやすそうなんですが、中身は複雑怪奇で攻撃も守備もがっちりしています。それを参入障壁と言います。ドン・キホーテの参入障壁は、参入前の防御壁でもあり、参入後の防御壁でもあります。参入前の防御壁は、前述の「夜に暴走族が集う異様な深夜営業のお店」というレッテルです。一般的には、危ない雰囲気の会社と一緒の商売にはなかなか近付かないものです。参入後の防御壁は、真似しようと思っても真似しきれない。いわゆるパクれそうでパクれないです。ココが競争時代には非常に重要で、商売を長くしたいのであれば複雑にしなければいけないのです。最近では、どんどんシンプル化が進みますが、結果的には簡単にパクられ競争に敗退するか、どこかに商売を吸収されるかです。シンプルにするとシンプルゆえ簡単に真似されるのです。複雑にすると複雑を維持するのは難しいのですが、パクられる危険は少なくなります。洋食の名店のデミグラスソースみたいなものですね。色艶は似ていても、味の深みがどうしても出せないというやつです。

当社のコンセプト経営は、ドン・キホーテの複雑性を参考にしています。一つのコンセプトで一見シンプルに見えるのですが、宿の隅々にまでコンセプトを浸透させることで、真似ようにも真似られない最強宿が作られます。

そんな真似されないオンリーワン宿に必要なコンセプトの作り方や、コンセプトをどのように宿に浸透させていくかを学ぶセミナーが伊豆河津にある禅の湯で行われます。

詳しくはトップページの最新セミナー情報をご覧ください。

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