写真でみる日本旅館「星のや東京」、星野代表が語る成功のポイントは「外資系より高い収益性」 【画像】

星野リゾートの日本旅館「星のや東京」が2016年7月20日、東京・大手町にいよいよ開業する。代表の星野佳路氏は、この新たな施設の計画段階から日本旅館と同社ブランドを世界に発信するための大事な拠点と位置づけてきた。大都会・東京の中心地に開業する日本旅館とは、どんな施設でどんなサービスを提供するのかーー?

開業に先立ち、国内・海外メディア対象の内覧会で公開された新たな施設の内部とともに、星野氏が語った戦略をレポートする。 *写真は、各フロアのラウンジ「お茶の間」でサービスをする「お茶の間さん」。

星野氏は、「世界に通用する日本旅館を完成させるのが使命」と意気込み、日本旅館という宿泊施設カテゴリを世界で確立していく決意を改めて示した。「星のや東京」をフラッグシップとして、今後は都市型の日本旅館として海外展開していく方針で、候補の都市名ではニューヨークやパリ、ロンドン、サンフランシスコなどをあげる。

そして、海外展開では利用者満足度と同時に、「収益面で外資系ホテルより高いリターンを出せること」を成功のポイントとして強調した。

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星野氏は、その答えを出す具体策として「星のや東京」が「スタッフ全て正社員」、「(清掃などの)外注なし」で運営することを明かす。「縦割りの専門組織より、マルチタスク(1人のスタッフが接客から清掃など全業務を行なう)の方がはるかに効率が高い」とし、例えばGOP(営業粗利率)では「星のや軽井沢」の35~40%に対し、その他の都市型施設は20~25%と推測し、その差をアピールした。開業段階では、料飲施設や宴会・MICEなどの付帯収入には頼らず、宿泊料金で利益を出す方針だ。

日本の”スシ”は、現在では魚の生食を元来の文化にもたない欧米人にも定着している。星野氏は、”スシ”と同様に旅館というカテゴリの宿泊施設で「市場を創造したい」と意欲を示した。

女将・仲居ではなく「お茶の間さん」がおもてなし

「星のや東京」は日本のビジネスの中心地、東京・大手町の再開発エリア「大手町フィナンシャルシティ」に位置する。周辺は国内の老舗から外資系までトップブランドが並ぶ、高級ホテルの激戦地でのオープン。先日、2020年の開業予定が発表された「フォーシーズンズホテル」は1ブロック先だ。

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発表資料より。フォーシーズンズは追記

コンセプトは「塔の日本旅館」。江戸小紋をモチーフにした地上17階建ての外観は、周辺の景色と強調しながらも、しっかりと日本旅館の風情を放つ。縦の空間に、層のように旅館の要素を組み込み、靴を脱いで寛ぐ館内では女将でも仲居でもない「星のや東京」ならではのサービススタッフ「お茶の間さん」が、各フロアに設ける「お茶の間ラウンジ」でおもてなし。バトラー的サポートからコンシェルジュ的サービスにも対応する。

開業時の予約状況は、7月15日時点でほぼ満室。立地的にインバウンドの需要も見込むが、外国人比率については「我々が決めることではない」と想定値は明かさなかった。開業時点では日本人が過半数を占めたという。

以下、画像で紹介する。

▼外観と玄関口
江戸小紋の装飾や障子が、周囲のオフィスビルとは異なる存在感を醸し出す。玄関口にはビルの日本旅館らしく、日本庭園を造園。ベンチには、ビジネスマンやOLが昼はランチ、夕方以降はビールを片手に賑わうことも。

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▼玄関 

玄関の自動ドアは青森ヒバの木扉。靴を脱いで上がる。左の木の格子戸が下駄箱。館内はコンクリートジャングルの都会から一変、木材を多用した和の空間が広がる。

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▼フロント
エレベーターで2階に上がると、ユニークなデザインのフロントが出迎える。木材の芯に、左官職人が3度塗りして作り上げたオブジェは、日本の日の丸・太陽をイメージ。 ※写真:星野リゾート提供

【星のや東京】フロント

▼お茶の間ラウンジ 
「星のや東京」の最大の特徴ともいえる「お茶の間ラウンジ」。チェックイン後にはその場で煎った焙じ茶をはじめ3、4種類の日本茶と菓子、夜にはお酒とおつまみ、翌朝にはおにぎりやコーヒーなど、時間に応じたサービスも。料理や飲み物、それを盛る皿や椀まで、“日本の佳い物”で提供。客室より多くの時間を過ごしたくなるような空間を目指す。

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▼お茶の間さん
女将も仲居もいない「星のや東京」で、おもてなしの多くを担うのがラウンジの「お茶の間さん」。各フロア毎に配置され、スタッフは全国の「星のや」から集まった富裕層のおもてなし経験者が中心。コンシェルジュではないものの、レストラン予約や観光案内も行う。

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▼客室「桜」
全84室で最も多いスタンダード客室。ツインとダブルを用意。座椅子やクローゼットなど竹製のインテリアが特徴的。陽の具合で外観の江戸小紋が障子に映る自然の演出も。定員2名、約50平方メートルで1室7万8000円(食事別)~。

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▼客室「菊」
「星のや東京」で最も広い約80平方メートルの部屋。定員3名。広いリビングにダイニングテーブルやウォークインクローゼットも備える。寝台には布団を3枚並べることも可能。

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▼大手町温泉
地下1500メートルの掘削で湧いたナトリウム-塩化物強塩温泉は、べっこうのような薄い茶色の湯。宿泊客のみ入浴可能で、内風呂の先には天井の真ん中から空を眺められる露天風呂も。

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▼ルームキー
ルームキーはICカードに木のカバーをつけて、印伝のポシェットに入れて渡す。エレベーターはルームキーで認識し、パブリックスペース以外は宿泊するフロアのみにとまる。

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▼ロビー
館内には日本の伝統文化を現代にアレンジした新旧の日本が楽しめる逸品が置かれている。ロビーでは茶道や香道、雅楽など日本文化に触れる体験も提供。

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取材:山田紀子(旅行ジャーナリスト)

トラベルボイスより転載 www.travelvoice.jp

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