いろんな予約サイトでクチコミが点数と共に評価されています。
クチコミがあるからこそ、第三者意見を活かした安心安全の購入が出来る
ということで、私も価格コムのヘビーユーザーです。
でも、実はこの仕事をしておきながらですが、旅館ホテルのクチコミについては
参考にしたりしなかったりです。
じゃらんネットや楽天トラベル、トリップアドバイザー、ゆこゆこ、るるぶトラベル・・・
と大手だけでも10数社。
それぞれ独自のルートからクチコミを集めて日本全国の宿を点数化し、
評判の良い順などに並べて掲載しています。
ユーザーとして失敗したくない的な宿選びをする場合は、
大切な指標になっています。
私は仕事柄いろんな場面でたくさんのクチコミ評価を分析して、実際にその宿に
訪れたりするのですが、驚くことがたくさんあります。
クチコミに書かれている
従業員サービスが悪かった
料理がおいしくなかった(薄かった、濃かった)
部屋が汚かった
などをピンポイントで調べても、全く該当しない宿があったりします。
クチコミ投稿後に改善されているケースも当然あるとは思いますが、
ほんとうに悪かったのかな?と思えるケースは少なくないです。
特に点数については、
どういうシチュエーションでその点数が付けられるのだろう?
と思わされるいい宿がたくさんあります。
私的には、クチコミの点数は4点前後あれば十分。 と思っています。
逆に5点満点に近い宿であれば、少し細い目つきで見る感じです。
なぜ旅館の経営支援をする仕事をしている私が、
クチコミ点数をあてにしないのか。
いくつかの理由があります。
① 旅は家を出てから、家に帰るまでだけでなく、
旅行に行こうかなーと思った瞬間から旅行を思い返す瞬間まで旅だからです。
旅は長いのです。
1泊2日の約30時間の外出時間が旅ではなく、場合によっては1ヵ月、2か月が
旅になってしまうのです。
その期間中、気分、感情、周辺環境などなど様々な状況が変化する中で
旅は存在しています。
旅行に出発する日に足を挫いて、旅の目的である登山が台無しになったらどうでしょう?
残念な旅行になってしまいますよね。
そこに宿のサービスや、部屋、清潔感などは全く関係してこないのですが、
クチコミ評価をする時には、30時間ではなく、1ヵ月間が評価対象になるのです。
② 旅行中の全ての感想は旅館ホテルのクチコミに集約される。
旅にはいろんなものがくっ付いてきます。
電車に乗ったり、観光地の食堂に行ったり、遊園地に行ったり、水族館に行ったり、
売店に行ったり、神社仏閣に行ったり様々です。
でも、その水族館から訪問3日後に、
『 お客様の声を聞かせてください! 』 と、メールが届いたりしませんよね。
残念ながら、活発にクチコミを集めようとする旅館ホテル(予約サイト)に、
旅の全体評価が集約されてしまうのです。
当然、旅行には楽しい思い出、楽しくない思い出があります。それぞれに
はけ口が用意されていれば良いと思いますが、残念ながら存在していません。
(存在していても、積極的に情報集めは行っていません。)
③ そもそも、部屋・風呂・サービス・・・・で評価をするって
誰が決めたの?
各予約サイトには、ほぼ全てのサイトに総合評価があり、
その他に部屋、夕食、朝食、サービス、設備、アクセス、清潔感などの評価基準があります。
ほとんどのサイトが5点満点評価で点数を付けてもらっています。
これは私が宿業を営んでいた時にも思っていたのですが、
『 部屋ってなに? 部屋の何を評価しているの?
総合? 大きさ? 明るさ? 新しさ? 趣? 室温? なに? 』
当然お客様によって、評価基準(大きさ、明るさ、新しさ・・・etc)は分かれますし、
それが当たり前だと思います。
でも、
それを同じ土俵(部屋評価)というカテゴリーの中で点数化していいのか?
と疑念を感じます。
ちゃんと評価するのであれば、部屋の広さ項目、明るさ項目、新しさ項目、・・・
と評価基準を明確にすべきと思います。
でも、
そんなことをしたら、複雑すぎてクチコミを見てくれる人がいなくなりますよね。
だから大手予約サイトは、部屋 という大きな枠で評価してもらっているのは分かります。
分かるからこそ、あてにしないのです。
さらに言えば、
立地やアクセスで評価をしているサイトを目にします。
これをどう評価すればいいのでしょうか?
例えば、
登山の麓にある宿に宿泊して、これから登山する人にはアクセスは良いかもしれない。
逆にこれから下山する人には、駅までのアクセスは悪いかもしれない。
さらに言えば、登山が困難な人には行きも帰りもアクセスは悪く感じるかもしれません。
さぁ、この宿のアクセスを評価する場合何を評価すればいいでしょうか?
分かれますよね。個人差激しいですよね。
これを一緒にしてはいけないと私は思っているのです。
もっともっと言えば、
点数化自体に異論を唱えたいと思っています。
点数化は当然見やすく分かりやすいのですが、中にはこんな例があります。
ある宿は大変リピーターも多く、評判の宿です。
しかし、クチコミ評価になると
『 大変いい宿でした。ひっそりとしている雰囲気が気にっているので、
これ以上お客さんが増えてもらいたくありません。なので、今回の
評価は☆2つにします。また絶対に行きますね。 』
どう思いますか?最高の褒め言葉ですよね。
でも、このコメントを見ることが無い多くのこれから予約するお客様に
とっては低評価の宿に見えるのです。
最高の褒め言葉を貰っているのだから、いいじゃないか!
とは思いません。
いい宿はそれなりのいい評価がされるべき。と思います。
宿をサポートしている側からも思いますし、これから旅行をしようとしている
ユーザー視点からも、もっと適正に評価されるべきと思っています。