20室以下の小規模旅館やペンションの強みは?
それは、経営者の気持ち次第で中大規模旅館に比べて
何倍も早く業況変化できることです。
小規模旅館・ペンションの弱みは、
中大規模宿泊施設に比べて施設が充実していないことでした。
逆に小規模旅館・ペンションの強みは、
中大規模宿泊施設に比べてプライスレートを低めに抑えられることでした。
しかし、年中同一料金の宿やデフレの影響で
これまで棲み分けされていた料金帯が小規模旅館・ペンションの強みの
プライスレートに集中してしまい、料金本位のお客様が値下げをした旅館に
移っている。
そんな状況です。
このような状況下で、露天風呂新設や客室リニューアルをしても
思ったような効果が出ていない宿を散見致します。
その理由は前述の通りで、同じプライスレート内の中大規模の施設と
施設設備の競争をしても到底かないません。
小規模施設に比べて3、4割も高いプライスレートで施設設備更新計画
を作っているのですから、投資額も規模も圧倒されます。
では、何もできないのか?
そんな事はありません。
打つ手はあります。
中大規模の宿泊施設が出来ないことを徹底的に突き詰めていくことです。
今後、プライスレートでの差別化はさらに難しくなってきます。
まだ余力を残す新興低料金宿泊施設はたくさんあるからです。
料金でも、施設設備でも勝負しないで、生き残る。
その為に
世界に一つしかないコンセプト(=DNA=あなたしか持っていないもの)
が必要なのです。
生き残るには、比較基準を完全に変えるしかありません。
料金でも、施設設備でも比較できない世界を作るのです。
例えば、
『小さい頃から矢追純一が大好きでUFOの話なら誰にも負けない。』
でも結構です。
そこから飛躍して
『都市伝説』コンセプトの宿でも数年は持ちそうです。
しかし、単なる『都市伝説』好きならどこにでも居ます。
1、2年後には同種の宿が出来上がるでしょう。
そこで、より深く深く探ってその根底にあるものを見つけます。
それが世界に一つしかないコンセプトになります。
根底の根底あるものですから意外とシンプルだったりします。
『こういうものが世界にひとつしかないコンセプトです』と言える
お宿コンセプト例を掲載できれば良いのですが、
残念ながら当社がコンセプトメイクしたお宿例は現在のところ
掲載しておりません。
理由はただ一つ、すぐパクられるからです。
利益を上げる秘訣 = 儲かってるのを悟られない
です。
『なんでだか分からないけど集客するあの宿』
でよいのです。
真のコンセプトを見つけるまではとりあえず、
真っ向勝負で勝てない相手には、奇襲作戦が効果的です。
『部屋』・『風呂』・『料理』という三種の神器で勝負なんて自滅行為です。
『部屋』は普通、『風呂』は小さい、『料理』も特徴なしで良いのです。
『うちにはこれしかない』だけにフォーカスしましょう。
例えば、
『チョコレートケーキなら女性を唸らせられる』
で結構です。
そう決めた瞬間から
5000万人のチョコレートケーキ好きな女性がターゲットになります。
タイトルが少し長くなりますが、
『死ぬ前にもう一度食べたい』と言わせるチョコレートケーキを
お出しするペンション チョコらって
の完成です。
50室も、100室もあるお宿がチョコケーキ一本で勝負できるでしょうか?
普通なら危険過ぎて手を出せません。
そこに参入障壁が出来上がります。
これで奇襲作戦成功です。
(でも、死ぬ前にもう一度食べたいと思わせるケーキを作らなければいけませんが、
終わりの見えない装置更新競争に比べれば気が楽です。)