【宿プロデュース:考】ありきたりでなんかで、売れるわけがない②

前回の続きです。

さて、”個性的”にする作業とは、どういう事か?というと、

ソフト面の商品力をアップします。設備投資はハード面と言われ、建物や施設の改装を意味します。ハード面をいくら改修しても実際には個性を付けることはほとんど難しいのです。

なぜかというと、そこまで大冒険をしようという宿オーナーもいませんし、その提案を受ける設計会社もいないからです。冒険的で個性的なハードは時として、受け要られにくい(売れない)商品になってしまうことがあります。
ですし、形あるものはこのインターネットが発達した時代には簡単にパクられてしまいます。本当にあっという間です。古民家風が流行ればみんな古民家風ですし、コンシェルジュデスクが流行ればみんなデスクを置きますし、HPで大きな写真を使うテンプレにしたらみーーーんな大きな写真だらけ。

そうです、形あるものは真似しやすい!

のです。

さて、何度も説明しますが、真似されやすいものは急激に商品価値を落として販売価格が低下します。その販売価格の低下するよりも金融返済が軽かったら問題が無いのですが、多くの場合で返済が重くなってしまうので、借金だけ残って首が回らなくなるという当たり前の流れを無視してハードに投資します。

はっきり申し上げて設備投資で集客(経営)しようなんて言うのは古いのです。時代遅れです。やってできなくはないのですが、リスクが高いのです。資本が大きい大企業の手法です。

これからはソフトを磨いて真似されにくくし、商品価値を維持して、販売価格を上げて、利益を返済に回さず、宿の運営に協力してくれる皆さんに還元する。これが21世紀型の経営手法です。


さてさて、その宿でどうやって個性を持たせたか?

まず新しく作った貸切露天風呂のソフトを伸ばすために違う時間帯(早朝、朝、昼、昼過ぎ、夕方、夜、深夜)に入りました。すると分かったことが、夕方に入浴すると脇に見える川が夕日に輝くのです。そして、早朝5時。朝日に湯面が光り中が見えないのです。そこで、館内大工さんにスマホが置ける台を設置してもらって記念写真が撮れるようにしました。お風呂でそれも、ちゃんと隠すところは隠してって撮影するのって難しいですよね。それを可能にするっていうことが価値とクチコミと噂の宿という商品力に繋がります。

料理は、魚がこの宿の地域特産でしたが他の宿があまり扱っていなかったので、この魚を前面に押し出して、いかにこの魚がうまくて、わざわざその宿に来なくちゃいけないかをHPで刻々と語りちらしました。そうするとその語りに誘われて、魚目当てに来るお客様が増えました。

そして、お部屋は普通に綺麗で良い部屋だったのですが、他にもありそうな綺麗な部屋だったので、タオルなどのアメニティに小投資しました。全部の部屋に投資するとまた借金が増えるので、最上階のみ某高級な今○のタオルにしました。もちろんその他アメニティもランクアップして、使い放題にしました。

すると、不思議なことにランニングコストはほぼ変わらないのにもかかわらず、プランで語れるサービスがたくさん出来上がり、『最近、お客さん増えて従業員が足りなくて、どうすればいいでしょうか?』という新たな悩みになってしまうんですね(笑)。

前回のブログで申し上げた通り、設備投資をバンバン指導してくれた会社さんの手法にはこうして”敬意を表する”結果となったのです。(笑)綺麗じゃなくても色々できますが、綺麗な上にソフト面充実させたらそりゃお客さんたくさん来ますよ(笑)。というか改善が本当に楽でした。

さて、最近倒産情報やどこかの宿が実は大手資本に買収されていたとかいうニュースを目にして、色々調べるとみーーーんな過剰投資です。どんなに隆盛を誇っていた宿でも過剰投資で首が回らなくなって、ドボンです。

これは、どんな方にも申し上げていることですが、普通会社なんて潰れないんです。

偶発的なアクシデントがあった場合、それまでに犯した過剰投資や資金繰りの失敗がボディブローになって効いてきます。そうならないためにも、ソフトを磨いて真似されにくくし、商品価値を維持して、販売価格を上げて、利益を返済に回さず、宿の運営に協力してくれる皆さんに還元する。これです!

勉強会でも色々このような内容をより具体的にお話ししますので、どうぞお越しくださいませ。

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