【宿プロデュース:考】設計会社からの提案を見て私がチェックする事

本日、ある宿さんでロビーのリニューアル工事に向けての提案を設計会社数社から出してもらいました。

資金的余裕が十分ではないので総費用の上限を設定して提案をだしてもらったのですが、どれも想像以上の提案でした。
CADで作ったピッタリ実寸のファサードデザインなど、「へーーーすごーーい。こうなったら他の宿をぎゃふんと言わせられますね。」なんて夢のある話をたくさんしていました。

売上上昇後の流れとして、当社がリニューアルに関わることが多いのですが、当事者の宿はそれまで売上に低迷するなどリニューアル慣れしてない場合が多いのです。
慣れてない分、設計会社から上がってくる提案で隠されている追加費用がかかってしまい泣きを見るケースがあるのです。

そこで私がチェックするポイントで大事な部分を今回はご紹介しましょう。(チェック項目を上げていくときりがないので、最低限です。)

①デザイン(設計)と費用のバランスが取れているのか?

前述のとおりCADデザインでしっかり表現された提案は素晴らしいですし、今後の宿の集客をより楽にしてくれる原動力になると感じます。しかし、その提案に「本当に?」と私は思ってしまうのです。大体の施工コストは分かるので、見積もりが安過ぎればどこかにそのしわ寄せがあるはずですし、高ければどこかに付加している部分があると思って穴を見つけます。

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最近は、手書きのデザイン提案よりもしっかりとコンピューターでデザインされた完成予想図が出てくるので、納得させられやすいのです。しかし、それはあくまで完成予想であって、部材選択や工務店選択の段階で色々削られ「思った感じにならなかった」という事が多々あります。

そのためにも、「本当?本当?本当?本当?本当?本当?本当?」と最初の段階で尋ねて、「細かくてうるさい施主さん」にならないといけません。

②6か月後、3年後、5年後にその状態が維持できる?

設計会社が描いた夢のような提案は、ストーリーの語りがあって素晴らしく聞こえます。どこにもよどみのない、「これが出来たらお客さんがバンバンやってくるぞ!」と聞こえます。

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当然、完成時はそうなるでしょう。しかし、ひとたびお客様を受け入れ始めてから色々な部分が狂い始めるケースを散見します。例えば、吹き抜けに植えた竹が1か月で葉が落ちて竹棒だけになったケースや、デザイン性を優先させ過ぎた影響でフロントからお客様への視界がゼロになったラウンジ、棚の大きさが大きすぎて商品をたくさん置けなくなった売店などなどオペレーションする側の意図が入らないとここまで狂うのかというケースがたくさんあります。

もっと言えば、部材やその部材を使用する場所によって強度や使うべき材料の問題が出てきます。子供の多い宿であれば思わぬ場所にいたずらされる可能性がありますので、子供対応型にして汚れに強くなければいけません。日に当たる場所であれば、接着剤が強くないといけません。

当然ながら設計会社やデザイナーの自由な発想をしてもらう必要はあるのですが、完成は一瞬です。オペレーションはリニューアル投資への返済が続くまでは回し続けないといけないので、優先させるべきはオペレーションになります。

③宿はリニューアル後の施設の売り方を知っている?

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設計会社は作ってお終いですが、そのリニューアル施設を使って今度は売上をアップさせなければいけません。しかし、売り方や売るべき対象を教えてくれるデザイナーはほぼ皆無でしょう。設計会社的にはそこをは関与する部分ではないと言いますが、例えば年齢層によって仕様って変わりますよね。おしゃれ感や話題性を狙ってロフト付の客室を作ったら10代~20代のカップルか子供連れの30~40代の客層に絞られますよね。でも、平日の集客を狙うのであれば子連れ客は平日に旅行に行かないので、カップルに絞って集客しなければいけません。しかし、10代~20代にカップルが平日の観光地にウヨウヨしていますか?せいぜい30代~60代のカップルですよね。その客層にロフトって。。。無しですよね。

そういうことなんです。デザインや仕様次第で売れる客層が決まってしまうので、施工までにその部分を詰めておかないとやばい事になります。引き渡し後の再工事なんて嫌ですよね。だから、事前に売り方を含めた打ち合わせが必要なんです。

当社としては、そんなこともあんなこともやるから一軒一軒時間がかかるのですが、大きな失敗しないためにはやっぱり必要です。

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